自省log

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彼女にフラれたので、クリスマスに一人で「恋空」を観に行った。

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昨日あげた以下エントリー後の話である。
クリスマス直前、彼女に心を折られた。 - 自省log

【前回のあらすじ】
7年くらい前の話。クリスマス前に彼女にフラれた。彼女には別に好きな人がいるらしいので、どんな人なの?と聞いてみたらサッカーの日本代表だったので心が折れた。

私はクリスマス直前、彼女にフラれ失意のどん底に落ちていた。
何しろ相手はサッカーの日本代表。見た目、社会的地位、年収その他諸々全てに於いて勝てる見込みが欠片も見えなかったからだ。
どんなに好意的に見積ってもアルシンド対カッパくらいの差はあると思う。

食事も喉を通らず、飲めない酒に呑まれ生きているんだが死んでいるんだか分からない夢遊状態で迎えた、聖なる夜・クリスマスイブ。

私はふいに思い立った。
「ここまで来たら、もっと自分を貶めてネタにして大爆笑を掻っ攫うしかない」
と。では何をどうして貶めようかと考えた時、真っ先に思いついたのがクリスマスイブに当時話題の「恋空」を観に行くことだった。

若年層向けのケータイ小説が原作となっている映画だ。

原作のクオリティや好き嫌いに関してこの場で語るつもりはないが、当時学生だったので周辺でかなり流行っていた事を覚えている。
カップルだったら絶対観るべき!みたいな、暗黙の了解が蔓延っていたのだ。
公開から1ヶ月以上経っているが、クリスマスイブはこれを観るカップルが多いだろう。その中に男一人で入場し自分を限界まで貶める。

イブ当日。映画館に向かうと想像通りカップルが溢れ返っていた。
口は悪いが「どいつもコイツも幸せそうだな。」そんな事を思ったものだ。
正確に時間は覚えていないが長い時間並んで、ようやくチケット売り場へ。受付のお姉さんに恋空のチケットを1枚お願いすると、明らかに「えぇ?恋…え??」みたいな顔をしていたけど無事チケットを購入する事が出来た。

直近の上映だと良い席が取れなかったので、入場までに時間がかなりある。
どこかで時間を潰す必要があったので、これまた当時話題の
クリスピー・クリーム・ドーナツ」に向かう事にした。
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画像引用
小洒落た店内や再上陸の話題性などで、カップル御用達となりつつある、いけ好かないお店である。

案の定、ここもカップルだらけだったのでまたしても長蛇の列に並び、私が座らなければ一組のカップルが愛を育めたであろう二人掛けのテーブルに一人陣取ってドーナツを食した。その後、席を待つカップルの目が恐ろしくて店を飛び出す。

勢い余って飛び出したものの時間はまだあるので、電車男で話題になった
LOVEオブジェ」周辺に寄り道してから映画館へ向こう。
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画像引用
もうこの辺まで来ると、羞恥心のメーターは完全にぶっ壊れていたので全てがどうでも良くなっている。毅然と胸を張り、威風堂々といった面持ちで入場。
カップルの波を掻き分けてど真ん中に着座した。
私は「クリスマスイブに恋空を観よう」と考えた時、以下の様な構図を描いていた。それが今、見事に完成しているのである。

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あとはこのネタを上手いこと調理して、小咄にすれば年末年始は大爆笑の嵐だ。
映画自体は消化試合みたいなものなので、ポップコーンでも頬張りながら隣のイチャつくカップル共を眺めていれば良い。

しかし予想に反し、私は恋空から強い衝撃を受ける事になる。
ネタバレになるが

超可愛いガッキー演じる主人公の恋人は、悪性腫瘍に侵されていた事を彼女に打ち明けず別れを選ぶ。彼女を愛していたから。

これを観て私はふと思った。まさか彼女も「何か重大な秘密を隠すため」あんなウソをついたのではないかと。
よくよく考えてみたら、サッカーの日本代表が一介の女子大生と真剣に付き合うなんてあるのだろうか。(遊びだったら別だけど)

上映終了で場内にすすり泣く音が響き渡り、皆が映画終わりの独特な余韻に浸る中
私は猛然と駈け出していた。彼女に電話をしなければならない。
もしかして…もしかして!!!

結論を申し上げると彼女には着拒されていたし、この小咄は一回もウケなかった。
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