編プロ・「プレスラボ」がライターに伝えたい3つの大切なこと【イベントレポート】
※こちらPRコンテンツではありません。好きで書いてます。
先日、懇意にしている「プレスラボ」さんというWebの編集プロダクションが以下イベントを開催していたので遊びに行ってきました。
イベント内容を逐一レポートしたかったのですが、このブログは1セッション当たり大体2分くらいしか読まれていないという、悲劇的な事実をグーグルアナリティクスが教えてくれたので先に要点だけをまとめて記載しておきますね。
このイベントでプレスラボさんが伝えたかったものを僕なりに咀嚼すると
- (1)現状のコンテンツ制作に必要なもの
- (2)ライターとしての心構え
- (3)ライター志望の方へ、編プロ・プレスラボの役割
このあたりでしょうか。今後Webライターを目指す方向けに、リクルーティングも兼ねているというイメージですかね。
はじめに結論を言っておきますと、これからWebライターを"本気で目指す方"にとってプレスラボは最適な会社だと思います。
僕自身もLIGに入社する前、外注ライターとしてお世話になっていたのですが
実際「これもプレスラボだったの?」って仕事が多く、種類も豊富です。同業から見ても実力確かな編集者さんが揃ってますし、何よりライターを育てようという強いマインドが感じられる。
そんな感じなので、すごく良いんですよ。ここら辺で9割くらいの読者さんは離脱しているかな?(震え声)
プレスラボがライターに伝えたい3つの大切なこと
さて、ここからが本題。イベントレポートは頭から追っていった方が良いと思うのですが、割とこのブログで説明するのは難しそうなのでざっくり3つのポイントに絞って記載していきます。
まずは前提として、登壇者の紹介から。
登壇者
梅田カズヒコさん(代表取締役)
偉い人なので会社には昼過ぎ〜夕方にしか来ない。お酒が飲めないらしいので、今度ドリンクバー会をやりたい。
小川たまかさん(取締役)
Yahoo!ニュース個人での連載など執筆多数。個人的に記事をよく読んでいる。女性問題など難しい題材に切り込み話題を掻っ攫っている方。
カツセマサヒコさん(編集者)
妄想ツイッタラー。LIGオフィスに席を用意して隙あらば引き抜こうしているが断固として首を縦に振らない。口癖は「それやるとフォロワー増えます?」
大矢幸世さん(ライター)
全都道府県に行ったことがある流浪系ライター。今までは地方で紙媒体メインで書いてて、最近プレスラボさんに業務委託という形でジョインされたそうです。
という、ファンタスティック・フォーみたいなメンバーです。
(1)現状のコンテンツ制作に必要なもの
当イベントで終始一貫していたのは、コンテンツ(記事)制作の勘所について。熟練者が多いプレスラボがコンテンツ制作する上で、大切していることを記載していきます。
企画のアイディア出し
この項目で面白いなと思ったのは、梅田さんがカヤック・柳澤さんの著書『アイディアは考えるな。』から引用した「とにかく数を出す」という手法。
“すごいアイディア"を一つ出すのは困難だが、"すごくないアイディア"を100個出すのは誰でもできるし金脈が眠っているかも。という話です。
確かにビッグアイディアは、そう簡単に出てこないもの。そんな時ヘボい企画でも良いから、とにかく書き出してみると「これは」と思える企画にぶち当たることがあったりなかったりします。
また小川さん・大矢さんは同じく、仕事ばかりしていないで外出することを推奨しています。アウトプットのみし続けるのは限界があるため、インプットを増やそうという流れですね。僕もそうなんですが、家にこもって記事書いてても捗らないことってあるじゃないですか。「そんなことをしているなら遊びに行こうよ」って感じかな。
あと、カツセさんはツイッターの話しかしてなかったので割愛します。
炎上について
記事をたくさん書いていると、時折「炎上」という壁にぶち当たることがあります。
炎上する要因は
- 個々人の考えを一般化し断言する
- 可燃性の高い話題に不用意のまま足を踏み込む(情報収集が甘い、矛盾がある)
- 法に反すること、非人道的なこと、そのほか他人が不快になる事柄
こんな感じかなと。
これに対して小川さんは、「最大で記事の4重チェック」をすると話していました。すごい!社内で1次・2次チェックを必ず行い、クライアントワークの場合はさらにチェック回数を増やすとのこと。
実際、執筆したライターは客観性がなくなるからだと言います。確かに自分で書いた記事って文脈がおかしいことに気づかないばかりか、誤字脱字すら見落とすことが多いです。こういう場合は第三者に見てもらうことが炎上対策として活きてくる。
小川さんは続けて、良いライターは「逃げ道」を作るのが上手いともおっしゃっています。断定するのではなく、各々で解釈できる余白を残す。確かに様々な視点を許容できるような懐深い記事は読んでいて気持ちが良いです。
ただ、どんなに準備をしても燃えるときは燃えるのでカツセさんの言う「とにかく情報を徹底的に調べる」という作業は、矛盾やミスによるつまらない炎上を防ぐ真理なのでしょう。
※ここで閑話休題。イベント中に机を漁る4人を見て休憩してください。あと半分!
(2)ライターとしての心構え
次はライター・編集現場の生の声を。
WEBライターとお金について
大変気になった話題なのですが、このセクションは全体的に「ライターさんのやる気次第だ」という、まぁそうだよね。ってな結論に着地しています。
現在、僕が知る限りWebライターの記事単価は1記事数千円〜高くて2万円くらいが相場のように感じています。3万を超える辺りから、その人独自の色(特殊な記事が書けたり、バズらせられたり)が必要になるイメージですかね。いわゆるスタープレイヤー達は10万円超え〜数十万もあり得るものの、これは本当に一握り。
だから、まず単価を上げるには何かしら自分の特色を出すべきだと考えます。
特色ってのは別に強烈なPVを持ってこれるとかではなくて、「しっかり納期を守り」且つ「スピーディーに正確な原稿書く」ことでも充分。そうすれば信頼を得られますし、記事単価は確実に上がる(的なことを言ってました。確か)
逆に言えば、"これをできていない人が多い"のでしょう。当たり前のことを当たり前にやるだけなんですね。ライター業は一見クリエイティブな仕事だと思われがちですが、大変地道で泥臭いんです。
好きなものを書く
梅田さんが言っていた言葉に印象的なものがありました。
「文章を書くのってめんどうくさい」
これです。これだけ文章に関わっているからこそ出たリアルな声。だからこそ、「これをどうしても書きたい!と思うものを書いたほうが良い」と結んでいます。
誰にでも、得意・不得意はあります。例えば僕の場合、「可愛い女の子の写真を見て妄想する」みたいな仕事なら瀕死でも書ける自信はあるのですが、逆に「経済について妄想記事を書け」と言われたら、瀕死だと書けそうにない。たぶん、そういうことなんだと思います。
Webライターはプレイヤーが少ない
これは僕らも感じていることなのですが、今現在Webで脚光を浴びているプレイヤーは本当に少ない気がしています。(前も同じようなこと書いた気がする)
小川さんも、面白い記事を正確に書けてバズを狙うとなると「何度もヨッピーさんが候補に上がる」とおっしゃっていました。
たしかに「バズ」を起こしているのって、ほとんど見たことある人しかいないですよね。最近だと『SNSポリス』のかっぴーさんや、贔屓目抜きでカツセさんくらいしか新しい話題のプレイヤーっていなそう。
これをチャンスと捉えるか、業界の先行きを鑑みピンチと考えるかはひとそれぞれですが、 少なくとも僕はチャンスだと思っています。
(3)ライター志望の方へ、編プロ・プレスラボの役割
この項目では、WEBメディア編集者に求められるものをまとめておきます。
めげない心
大矢さん、梅田さんがおっしゃっていた「めげない心」というのが印象的。編集者(ライター)は時に耐え難い苦悶に見舞われることがあります。
前述の「炎上」もそうですし、クライアントワークで強烈な差し戻しがきたときは、大抵苦虫を噛み潰しきったような顔をするもの。それでもめげない心が重要なんです。
特にライターを育てる、守るという立場にある編集者さんには必須なスキルかもしれないですね。
ライターをどう育てるか
後半は「ライターをどう育てるか」という話にシフト。カツセさんはライターを育てるスキルが大事だと話し、それに呼応するように小川さんはライターを長期的に育てる環境が編プロには必要だと展開。頭からダメ出しをするのではなく、「甘やかす力」も求められるとのこと。
編集者としてみるポイント
編集作業として「誤字脱字チェック」など基本的なことはもちろんのこと、文章の流れを確認しつつ自分の好みを排除して編集するという小川さん。極力ライターの色を消さないようにすることが、結果的に良い記事を作るみたいです。
また、梅田さんは「ライターが何を言いたいのか把握する」ことがポイントだとおっしゃっています。この作業を行うことにより、何を足し何を引けば良いのか理解しやすくなるそう。編集者の方にここまでやっていただけると超助かりますよね。
結論:プレスラボはライターを募集してるし、育てます。
というわけで長々書きすぎて後半ものすごく疲れちゃったのですが、簡潔にまとめますと
プラスラボは、ライターを育てるマインドやそれを生かす力・環境を持ち、潤沢な仕事はあるもののライターが著しく不足している。
という感じでしょうか。
僕が所属するLIGもライター不足は喫緊の課題です。批判を恐れず言うならば、
一緒に創造的な仕事ができるライターが足りない
という現状かなと。皆で頑張って良いライターになり、見返してやろうじゃないですか。
最後に大切なことなのでもう一度言いますが、Webライターを"本気で目指す方"にとってプレスラボは最適な会社だと思います。
妄想ツイッタラーのカツセさんが業務中にあれだけ妄想できているので、きっと素敵な職場なのだと思いますよ。
http://www.p-labo.biz/recruit/www.p-labo.biz
※こちらPRコンテンツではありません。好きで書いてます。
イベントで大爆笑を取る @katsuse_m #プレスラボの話 pic.twitter.com/eMAw9wHagp
— Ryohei Kono (@tube_ryo) 2015年11月1日
※11月5日(木)21:58 一部追記