僕は昔からお正月が好き。
本日は1月1日、お正月。元旦。
僕はここだけの話、お正月が好きだ。
今年で29歳、もう30回近くもお正月を味わっているわけだけど、一向に飽きそうもない。やっぱり僕はお正月が好きだ。
親戚のおばちゃんから言わせれば、もう「良い年」なのに、なんでこんなこと思うんだろうと朝からうんうん考えていたのだけど結論としては、
幼少期の原風景的なものに引っ張られているのだ
というところで落ち着いた。
お父さんやお母さんが年末のお休みになると、当たり前だけど家にずっといて皆で大掃除する。それから、お父さんの実家に帰省するのだが
クリスマスという特大のイベントから派生する年末に浮かれた独特の時間を、キュッと締まるような寒い外の空気が帳尻を合わせてズルズルと加速していく感覚がすごく心地よかった。
我が家は厳しい家庭だったので、小学生の頃は9時には寝ることになっていたのだけど、年末年始の"フィーバータイム"はこの規約も緩和して、家族や親戚の団らんは密度増していく。
「大晦日は頑張って年越し蕎麦を食べるんだ。」
と息巻き、眠い目をこすりながら大好きだった親戚のお兄ちゃんたちと囲んだモノポリーは今だって忘れない。
年が明ければ、明けたで親戚が一同に会して、食べきれないおせち料理と待ちに待ったお年玉がやってくる。
当時は、大人の世界などつゆ知らずはしゃいでいたけど、
今の僕のように仕事の疲れを癒していたはずのおじいちゃんやおばあちゃん、親戚のおじさん・おばさん、お兄ちゃん、お姉ちゃんの楽しげな雰囲気や笑顔が印象的だった。
僕の脳裏に浮かんだ風景を、文字に起こすとこんな感じだ。懐かしくて涙が出る。
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今僕は30歳を目に前にして、年末だって元旦だって関係なく仕事をして、こうやって文章を書くことを優先している。お正月にかけるプライオリティは下がってしまっているけど、それでも感じるワクワク感は、そんなに変わっていない。
皆年を取り、子供が生まれて、目の前に広がる光景の色はずいぶん変わってしまったけど、幼少期の思い出がフラッシュバックするから、まだ健在なんだ。
いつまでこんな風に穏やかな気持ちで過ごせるのだろうか。結婚して、子供でもできたらまた違った感覚になるのかな。
まぁどんな感覚であれ、自分の子供が何歳になっても「お正月が楽しい」と思えるような家庭にできたら及第点。お父さんやお母さんが作った「我が家」という偉業には遠く及ばないかもしれないけど。
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そんなことを思いながら、残ったつゆを温めて雑煮を頬張る。
年始に振り込まなければいけないお金と、預金残高を照らし合わせて
「割とマジでだれかお年玉をくれないかな。」とか思っている僕には、まだまだそんな家庭は作れそうもない。(心に穴が)あけましておめでとう。
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