幼い頃に体験したサッカーへのトラウマ。
ブラジルワールドカップが始まり、私の周囲でもサッカーに関する話題が増えた気がするものの例年に比べるとメディアを含めた周囲の反応がやや淡白な気がしないでもない。周りにいる人がサッカー熱を失ったのか、日本代表が先の試合で惜敗というか、惨敗してしまった影響なのか。
猫も杓子もワールドワールドカップカップ言っていた、前回・前々回大会に比べると圧倒的に話題に上る回数が少ない気がする。気がするだけで、本当はみんな熱狂的に見ているのかもしれないけれど。
ところで私はサッカーに全く明るくない。前に以下の記事でも書いたのだが
突然、同窓会にブラジル人が来ることになった。 - 自省log
細かいことはよく分からないのである。何故なら我が家は長い間サッカーを避けていたのだから。あるトラウマを起因にして。
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私が小学生の頃、ある歴史的な事件が起こった。「Jリーグ」の発足だ。
当時エース三浦知良を筆頭とする読売ヴェルディ(現:東京ヴェルディ1969)が大変な人気で、また私たちの住まう地域がヴェルディのホームだった事も相まって皆熱を上げ、どの親も習いごととしてサッカーを選択することが多かった。私の親もママ友と一緒になって地域のサッカーチームに入れようと躍起になっている。
うちの地域には計4つの少年サッカーチームがあった。一つは前述したヴェルディのジュニアチーム。いわゆる"サッカーエリート"が集まるプロ予備軍的集団だ。
次点が小学校公認のサッカーチーム。レベルは比べるまでもないが地域のサッカー小僧は大体このチームに属するイメージ。
そして非公認チームが二つ。実業団OBが組織しているサッカーチームと謎の外国人集団(国籍不明)がコーチをしているサッカーチームである。母から聞いた話だと、チームをまとめていた監督兼コーチはエクアドルの有名サッカーチームで活躍していたそうだ。
私の母と、そのママ友はどのチームに入れるか大変迷った。Jリーガーにする確率を飛躍的に向上させるためには当然ヴェルディ・ジュニア一択だが凡才たる我が子らでは間違いなく入団試験さえ通過できない。
ならば、最も選手数も多い学校公認のチームに入るのが当然の成り行き。プロになれなかったとしてもスポーツを通して何か得るものがあれば良い。そう考えていた。
しかし、リーダー格のママがその形勢を一言で逆転させる。
「エクアドルサッカーを学んだ外国人(国籍不明)にサッカーを習えば、プロになりやすいんじゃないか。」
どんな論理を経て、そうなったのか今となっては知る由もない。当時は今のように海外クラブで活躍する選手もおらず、そもそもエクアドルがどこにあるかすら分からない状況なのだ。それでもこういう結論に至ったのはグローバルへの憧れか。
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こうして私たちは謎の外国人が運営するサッカーチームの入団試験を受けることとなった。
時間は飛んで、入団試験当日。私は子供心に緊張していたことを覚えている。運動も苦手だし、サッカーは未経験で見た事もないし、何より外国人が怖かったから。まだ入団できるかすら分からないのにもう全てを投げ出したかった。
親に引きずられるようにして集合場所へ向かう。このまま連れていかれたらもう帰って来れないんじゃないか、そんな想いが胸をつんざいた。
そしてやってきた外国人コーチとの対面の時。意気揚々といった面持ちで私たちを連れる母の顔は明るい。
一般的な小学生が入るサッカーチームではなく、幼い頃から先進的な"世界のサッカー"を体験する。「これで我が子もJリーガー」そんな想いが彼女たちの心になかったとは言えない。
事前に連絡をし入団試験のアポ取りと、試験代(詳しくは分からないが数万円)を立て替えてくれたリーダー格のママ友を先頭に指定された場所へ向かう私たち。
そこは森に囲まれた自然溢れる運動公園。月並みな感想だが子供の私でもとても良い環境だと思った。
休日だというのに周りには誰もいない。人っ子一人いない。待てど暮らせど誰もいない、誰もこない。
本当に、誰も来ない。
その後のことは母らの名誉のため一切を省くが、すごく端的に言えばただの詐欺だった。
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今週のお題「サッカー」
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Ryohei Kono (@tube_ryo) | Twitter
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