イヤフォンを付けたまま会話する若者に思いを馳せる。
先日、無性にミラノ風ドリアが食べたくなり思わず目の前にあったサイゼリアに入店した。
平日の夕方だったので学生がごった返していて「うわっ」っとなったのだが
お腹も空いてたし、ミラノ風ドリアにフォカッチャみたいなイタリアーノものがどうしても食べたかったのでやむなく足を踏み入れる。
数分待っていると店員さんがやってきて、席に案内してくれた。
どうやらごった返した学生のちょうど中央部分にぽっかりと席が空いているようだ。
騒々しかったので、少し躊躇をしたが案内されてしまっては仕方ない。さながらモーゼの如く学生の波を割って着座する。
隣には16~17歳と思わしき女子高生が3人。ダベっているみたいだが、横から見ると全員まつげが飛び出しててちょっと怖い。
目の前は男子学生の集団。バックの感じから察するに恐らく野球部だろう。こちらはPSPでモンスターハンターをしている様だ。
逆隣は学生カップルだろうか。こちらはお互いスマホをいじりながらパスタを食べているが時折、近づいては何やら話をしている。
ここで私は一つ違和感を覚えた。彼らはイヤフォンを付けながら話しているのだ。
黙々とミラノ風ドリアを堪能しながら、このカップルをチラ見していたがイヤフォンをつけながらデートをしている様は非常に滑稽に見える。
確かにスマホも携帯ゲーム機も音が出るので、外で音を出すときはイヤフォンをするのがマナー。
だが今は恋人とファミレスでダベっている最中なのだ。そんな時にイヤフォンをつけている理由がわからない。
変わったカップルもいたものだと、ふと周りを見渡して私は絶句した。
隣の女子高生も、向かいの学生集団も皆イヤフォンをつけて話しているではないか。いったい何が起こっている。
私は誰かの話を聞く時に、イヤフォンをつけるのは失礼だと認識している。目上の人や知らない人だけではない、彼女や友人に対してもイヤフォンをつけて会話するなど失礼千万。
仮に友人がイヤフォンをつけて会話していたら、耳からむしり取って地面に叩きつけているだろう。なんか寂しいからだ。それに音楽を聴きながら、別の会話を理解する事だって難しい。
二兎を追うもの一途を得ず。そんな状況では会話を聞き漏らすばかりか、音楽を楽しむ事すら出来ないのだ。
だが見ている限り、周りの若者は何ら支障はなく会話を続けている。どういう脳構造をしているのか甚だ疑問だが会話が出来ているのなら問題もないのだろうか。それに周りも皆付けているのだから失礼でもないかもしれない。
若者の常識は我々と少しずつ変わってきている。前にそんな記事をしたためた事があったが、これもそんなジェネレーションギャップなのかもしれない。
やっぱり私も随分歳を取ったのだな。そう納得することにした。人間は常に進化する、もしかしたら最近の10代はイヤフォンを付けたままでも会話を楽しめる、聖徳太子も真っ青な聞き分け具合なのかもしれない。
そんな事を思いながら、フォカッチャを頬張りつつ隣のカップルを見てみる。
彼女「なんか◯◯と◯◯付き合ってるらしいよ~、チョ~ウケるよね!!」
彼「え?」
そう彼氏は聞き返した。
彼「そーいやぁこの前貸した、金返せよ」
彼女「え?なに?」
そう彼女は聞き返している。
彼女「今度ディズニーいきたい!!ディズニー!ねぇちょっときいてる?」
彼「え?なんだって??」
良いからお前らはイヤフォン外せよ!!!!