wwwの使い方
本文:「お前、いい加減メール返せwwwよ!!」
これは以前、友人から届いた催促のメールだ。怒られているのだが、どこかゴキゲンに見えるから不思議である。
ネット上で散見する「w」これは嘲笑に近い“(笑)”の意味を持つとされている。ネットゲームから端を発する、「w」は携帯電話やネットの爆発的な普及により今や幅広い年代に市民権を得た。
この友人も最近になって、やっと人並みにネットを使いこなせる様になったので物珍しさから「w」を使っているのだ。
ここまで読んで勘の良い人ならわかるかもしれないが彼は「ITリテラシー」と言うものを何一つ持ちあわせていない。その無さっぷりと言えば30分くらい放置すると大体、ワンクリック詐欺に引っ掛かっているくらいダイナミックだ。
そんな彼も今では社用のPCを持つ大層なご身分となり、まるで自慢するかの様に私のPCへメールを送ってくる。それに伴い、彼の使う「www」が目に余るくらい増えてきたのである。
しかし、用途はいまいちピンと来ていないのだろう。PCメールにこんなのが届いた。
題名:飲み会www
本文:来週wwいつものメンツで飲み会があるけどww空いてるwww?
これに対して、私は
本文:ギリギリにならんとわからん。また連絡するわ。ちなみにどこで飲むの?
すると
本文:wwwWATAMIだよ。
こんな知らせが突然舞い降りて来たら、大抵の人が大いに困惑するだろう。私はしばらく混乱して目の前が真っ白になった。
wwwの場所がおかしい上に、全然笑うところじゃない。何故か和民を『WATAMI』にしているもんだから前のwwwと被って何がなんだか分からなくなっている。
始めは私をバカにしているのかと思った。流石に冗談でやっているのだろうと。しかし回を重ねる毎にガチな事が分かり、真剣にゾッとした。
そんなこんなでメールを返すのが少しばかり恐ろしくなっていたある日、冒頭の催促メールが着たのだ。これには即座に返信をする。
他の友人への配慮だけじゃない怒っているのか笑っているのか、もはや私の理解を大きく逸脱した彼が何より怖かったからだ。動物はDNAレベルの恐怖には勝てない。
返信ついでに、もうこれ以上変な「w」は見たくなかったので「wwwの正しい用途」を解説しているサイトのURLを添えてみる。
彼も馬鹿ではない。すぐにちゃんとした用途のメールが返ってきた。
「URLを入力しても開かないと思ったら、抜けてた。wwwがwww」
見にくい!!!