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自省log

毎日5分をムダにしたな。と思えるブログ

キャッチをいなしたら、なんか大変なことになった。

泣いた話 小話ネタ 日常系ショートショート

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ここは新宿・歌舞伎町。魑魅魍魎が渦巻く恐ろしい街である。
その日私は友人数人と飲みに来ていて、締めにラーメンを食べようと歩いていた。

ところで週末の歌舞伎町は人が多い。また路上キャッチが未だかなり多く、興味があるものだったらまだしも今はラーメンで手一杯なので正直、対応が億劫だ。
ちょっと迂回しながら歩いていていたのだが、人が溢れていたので知らぬ間にキャッチの兄ちゃんがたむろっている方に流れてしまう。

当然彼らはお店に引き込みたいので私達に群がってくるが、軽くいなして目的地に向かう。しかし一人のキャッチは諦めずついてきており、一人の友人がただ無視をするのも忍びなかったのか軽く愛想笑いをしながら「ダイジョブデース!ダイジョブデース!\!」とその場をすり抜けた。さぁもうちょっとしたらラーメンだ。私達の胸は高鳴っている。

しかし、そうは問屋がおろさなかった。突然キャッチの兄ちゃんがの肩を掴んできたのだ。友人と隣にいた私が振り向くとキャッチの兄ちゃんは鬼のような形相で叫んだ。

「っざんけんじゃねぇぞ!!」

えええぇぇ!!?????

私も友人も突然の出来事に驚愕した。友人の「愛想笑いダイジョブデース」が気に食わなかったのだろうか。とにかく凄まじい剣幕で友人と私に迫ってくる。
私達は震えていた。歌舞伎町は怖いところだと散々聞かされていたものの、今までこんな経験は一度もなかったからだ。

キャッチの兄ちゃんは友人の胸ぐらを掴み

「てめぇ、なめた態度とってんじゃねぇぞ!!」

と、怒りに任せて叫んだ。

その声を聞いて前を歩いていた友人達も戻ってきたが、皆その異様な光景に唖然として動けない。ふと横を見ると近くに体の大きな黒人さんが「オーマイゴット」みたいな動きをしながらコチラを見ていた。ちょっと愛嬌があって可愛い。
構図としてはこんな感じである。

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何にせよ友人を助けなければ。もしかしたら何かしらでキマっている可能性もあるのだ。殴られでもしたら堪らないので友人とキャッチの兄ちゃんを引き剥がすように間に入る。
しかしこの兄ちゃんもかなりガタイがよく中々離れない。友人はよく見えないけど、びっくりして気を失っているのだろうか、もうグワングワンされている。

どうしよう。そう思っていた瞬間、救世主が現れた。さっきの黒人さんだ。
黒人さんはその大きな体で二人の間に割って入ると有無を言わさず、二人を引き離す。

「良かった。助かった。」

私はそう安堵し、肩の緊張を解いた。
しかし次の瞬間から自体は急展開することになる。キャッチの兄ちゃんが今度は黒人さんに襲いかかったのだ。

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???

私も気が動転していたので多少大袈裟かもしれないが、気付けばこんな感じになっていた。
歌舞伎町は深夜になると、ちょっとした路地に黒人さんの怖い人と、スーツ風の怖い人と、なんかよく分かんないけど怖い人がたくさんいるものだが、恐らく黒人さんが仲間を呼んだのだろう。あっという間に集団が集まってきたようだ。

キャッチの兄ちゃんはもう友人のことは離していたが、引くに退けないのか黒人さんに掴みかかっている。
私はもうとにかく怖かった。なんか突然絡んできたキャッチのにいちゃんも、突然現れた黒人さん集団も、騒ぎを聞いてワラワラと集まってきた野次馬も。
今まで体験したことのない異様な空間に腰が引ける。私達はただ飲んでいただけ、ただ飲んでちょっとラーメンを食べようと移動していただけなのになぜこんなことになるか。

だが一番の被害者は絡まれた友人だ。私は止めに入っただけだが、彼は実際絡まれた当事者である。心配だったので急いで彼のもとに駆け寄る。

すると、そこには呆然とした顔で黒人集団とキャッチの兄ちゃんを見つめながら

「ダイジョブデース…」

とつぶやく彼の姿があった。何が大丈夫だったのか、未だに怖くて聞けてない。

歌舞伎町・ヤバさの真相 (文春新書)

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