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自省log

毎日5分をムダにしたな。と思えるブログ

成人式帰りのカラフルヤンキーに取り囲まれた。

泣いた話 小話ネタ 日常系ショートショート

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今日明日、全国で成人式が開かれることをさっき小耳に挟み、ちょうど1年前「カラフルヤンキーに取り囲まれた」ことを思い出したので記したいと思う。

昨年のこの日、関東は記録的な大雪で多くの交通機関がマヒをしていた。私はタイミング悪く前日から車で外におり、心の底から自分の不運さと浅はかさを呪って大渋滞した道をノロノロと走っていたことを覚えている。

どれくらいの時間を車内で過ごしただろうか、永遠のように感じた運転ももう間もなく終わりを告げる。
その時の心境を詳細には覚えていないが、きっと油断していたのだろう。小さな坂に差し掛かった瞬間、車が横滑りし脇に寄せてある雪に突っ込んでしまった。
壁に衝突こそしなかったもののタイヤが雪に埋まってしまい、にっちもさっちもいかない状況である。家を目前にして完全にストップした車をみて私は毒づき、外に飛び出した。雪をかこうと思ったからだ。そんなとき、何やら目立つ集団が視界に入った。

紋付き袴を履いた、新成人である。The原色ともいうべきカラフルな袴を身にまとい、恐ろしげな顔をしてこちらに近づいてくる。
率直にいってこれはヤバイと思った。偏見甚だしい意見だが、成人式にカラフルな袴をはいてくる強面はたぶんヤンキーなのだ。

私の中の何かがけたたましい音をあげて、逃げろと急かしている。だが車は動かない。目の前には5~6人のカラフルヤンキー、そして私はただのアラサー。
どんな角度から見積もっても私が勝てる要素など皆無なのである。
構図としてはこんな感じだ。

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別に私が絡まれるいわれはないので、平然としていればいいのかもしれないが「新成人が暴徒化した」というニュースが脳裏をよぎり、変な汗が出た。
このまま何事もなく過ぎ去ってくれ。そう祈りながら目をつぶる。

目をあけると目の前の光景はこんな感じになっていた。

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赤、青、黄、ピンク、紫。虹みたいで綺麗だがそれを見て人生の終わりを覚悟する。短い人生だった、最後に虹が見れて良かった。あばよみんな。

そうこうしている内に一人のリーダーらしき赤色の袴をはいたヤンキーが窓をノックした。いきなり車をぶっ壊されるかと思っていたがなるほど「金出せよ。」パターンか。これなら命だけは助かるかもしれない。
そう思いながら、窓をあけると赤色ヤンキーはこれでもかと"気合"の入った顔を私に近づけて言った。

「大丈夫すか?ひっぱりましょうか?」

ナニヲイッテイルノ???

あまりに想定外の言葉に思考がついていかない。落ち着いて2~3回聞いてみて、彼らは助けてくれるつもりらしいということがわかった。ここはありがたく力を借りることにしよう。

その後、彼らは全員で寒い中雪を掻き、車を引いてくれた。
成人の記念すべき日に袴を汚して車を引いてくれるカラフルヤンキー達。「せーの!」の掛け声と共に車が動いたときは感動して胸に何がこみ上げてきたものだ。
彼らも「よっしゃー!」と声を挙げ、心地よい一体感を体験する。

これは御礼をしなければならない。彼らの行為が素直に嬉しかったし、悪意しかない想像をしてしまった自分が恥ずかしかったからだ。
気の利いたものが思いつかなかったので、下世話だと思ったが成人のご祝儀代わりにお金を渡すことにする。もともとカツアゲされるくらいの覚悟はしていたのだ、これくらいどうってことない。私は徐ろに財布をあけて、目を疑った。

残金 200円

____

最終的に200円全額と、車内にあったキシリトールガム(残3個)を渡し、足早にその場を立ち去る。カラフルヤンキーたちはきっと微妙な苦笑いをしているに違いないが、私は振り返ることが出来なかった。
目の前が霞んで見えたので、ワイパーを動かしてみる。一向にくもりが取れず不思議だったが、なんてことはないただの涙だった。

まだまだ日本の若者も捨てたものじゃない。だが私のような人間は捨てたほうがたぶん日本のためだなと思った。

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ツベルクリン良平(@tube_ryo)

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