我が家のお年玉メソッド
明日は親戚が一同に介する「新年会」なるものが開催される。
これは我が一族の恒例行事で毎年1月3日に行われるものなのだがこのイベントがとにかく億劫で、せっかくの正月休みだというのに新年2日目にしてもうかなり鬱屈した気分になっている。
私はここだけの話、その昔当該地域で有力だった武家の子孫だ。
武家といっても隆盛期の家長がハニートラップに引っ掛かって没落した後その息子が土地を賭博に使って巻き上げられ、更にその孫がまたハニートラップに掛かって全資産を失ったギャグみたいな家系なので、とても貧乏なのだがプライドだけは人一倍あるもんだからヘンテコな伝統だけは未だに守っている。その一つがこの「新年会」なのである。
新年会にはいくつかコンテンツがあり
・新しく恋人が出来た場合の報告、その紹介
・結婚したあるいは婚約した事の報告、恋人の紹介
・あとなんか最近気になる人の話
など高校生のサイゼトークみたいなものが繰り広げられるのだが恋にギャンブルにお酒と、うつつばかり抜かしてきたダメ一族なので納得だ。
参加者は恐らく100人以上集まる事が予想される。親戚一同、少子化なんかどこ吹く風と欲望のままに夜の居合抜きばかり興じてきた結果、こんな事になった。
まぁそれだけだったら、賑やかな親戚の集まりで終わるものだが厄介なのが
そんなつばぜり合いの末に生まれた子供を慈しむ文化、すなわち「お年玉渡し」が積極的に行われる事である。
社会人になるとお年玉を渡す義務が発生し、あの嬉しかったはずのお年玉が忌み嫌うべき最悪のイベントに変わる事は皆さん同じだと思うが、我が一族のお年玉には細かいルールがあって他とは違うらしいので本日はそのメソッドを紹介したいと思っている。
我が一族のお年玉メソッド
ルール1 金額算出式
我が一族のお年玉は年齢によって貰える金額が厳密に決まっており、皆そのルールに則ってお年玉を渡す事になっている。金額構成表は以下の通りだ。
- 0～3歳未満 3,000円固定
- 3～12歳まで 3,000円＋年齢×500円
- 13歳以降 年齢×750円
- 15歳 20,000円固定
- 16～19歳 年齢×750円
- 20歳 30,000円固定
ちなみに私が20歳の時は曽祖父、祖父母、両親、伯父伯母×2家庭、従兄弟4人がいたので30,000円×9件で270,000円のお年玉を貰った。
※15歳「元服(昔の成人)」なのでご祝儀代わりに破格のお年玉が貰える。
※そして20歳はご祝儀＋最後のお年玉という事で3万円もらえるがお年玉を渡す立場になった時が怖いので積立に回す事例が多い。
ルール2 お年玉を渡す対象
お年玉を渡す対象は決まっており、20歳未満で未婚の
- 自分の直系家族(息子、兄弟)
- 両親の兄弟の子供(やその子供)
にあげれば良い。その為、例えば祖父母の兄弟(祖叔伯父母)に子どもや孫がいてもお年玉はあげない。
※このルールは1970年代に子供が増え過ぎて、1家庭あたりの出費がままならなかった為平成元年に追加されたらしい。
ルール3 ボーナス制
お年玉取得期間中に、特定の条件をクリアするとボーナスで通常のお年玉＋αがもらえる。
- 部活などで県大会以上に出場、金賞などの華々しいとされる賞を受賞した場合 ＋5,000円
- 結婚 ＋15,000円(以後お年玉はもらえなくなる)
- 合格系(小・中・高・大・就職) ＋3,000円
- 初恋人が出来た ＋1,000円
- その他なんか良かった事があった ＋1,000円〜1,0000円
申告制なので事前に申請が必要。
その他のルール
その他にも渡す側の生活が厳しい場合の減額制度や、対象者が犯罪行為など社会通念上恥ずべき行為を行った場合は減額あるいは取り上げ処置が適用される。
また欠席した場合も減額などの処置もあるようだが基本的に皆新年の集まりが大好きで、且つ犯罪などとは程遠いのほほんとした人たちばかりなのでこのルールが行使されたところを見た事がない。
まとめ
この様に我が一族のお年玉制度は変わっており、友人に話すとビックリされたものだがお年玉とかって家庭によって違うので話しあってみると結構面白いもの。
うちのお年玉取得額は一般的より高いので当時はかなり羨ましがられたし私も中々のドヤ顔で過ごしたものだが大人になってみれば、出費ばかりかさむクソみたいな制度なので、今まで私にお年玉をくれた両親、親戚の皆に感謝すると共に、この悪しきシステムをいつかぶっ壊してやろうと考える今日この頃である。
今年は運よく対象となる子供が小さいので、比較的安く抑えられそうだが様々な要因が重なると給料2ヶ月分くらいは簡単に飛ぶとの事なので今から戦々恐々だ。
皆さんのお年玉はどんな感じだったのだろうか。私は難しそうだが皆さんは楽しい三が日を過ごして欲しいものである。
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