「ゼウスとおおぐま座の神話」にしてやられた。
先日暇だったので図書館に行って本読んでいた。なんか目ぼしい本ないかなぁと図書館を練り歩いていたのだが、しっくり来る本がない。
ふとオススメコーナーが目に止まる。司書さんが毎月ピックアップした本を紹介してくれるコーナーだ。その中にギリシャ神話の本があったので、何となく気になって読んでみた。
いくつかある話の中で最も興味深かったのが「ゼウスとおおぐま座の神話」
内容を掻い摘んで以下に記載する。
ゼウスとおおぐま座の神話
【登場人物】
ゼウス…言わずと知れた一番偉い神様。そんな立場にも関わらず、手当たり次第色んな女性と関係を持つファンキーな人。
女神ヘラ…ゼウスの妻。世にも恐ろしい恐妻で今で言うすごくヒステリックな人
カリスト…今回の主役。めっちゃ可哀相な母。
アルカス…今回の主役。めっちゃ可哀相な息子。
その物語は主人公カリストによる誓いから始まった。彼女は冒頭から「子供を作らない」と強く誓っている。理由はよく分からなかったが、彼女が神の国でなく中国にいたら大歓迎されるだろうなと言う感想を持った。
しかし、そんな鉄の誓いを立てた彼女に猛烈なアプローチを繰り広げる男がいる。
「大神ゼウス」
あらゆる神の頂点に立つ男だ。そんな男に求婚され続けられたら、ひとたまりもない。
言わばその辺の主婦が、いきなり大統領とかに告られる様なものなのだから。カリストが心揺らぐのも時間の問題だった。
その後幾ばくかのやりとりを経て二人は結ばれ、カリストは最愛の息子アルカスをその腹に宿した。
これはよく考えてみれば大統領の行き過ぎたハラスメントである。
もしかしたら断った事を引き金に世界対戦が始まるかもしれない。そんな極限の選択を迫られたら、普通の主婦に断れる道理はないのだ。
しかしそれに激怒したのは奥さんのヘラ。この人がまたとんでもなくて一言で言えば恐妻ならぬ、狂妻。
通常なら不貞を働いたゼウスに怒りをぶつけるはずだが、矛先は何故かカリストへ。
セクハラ&パワハラ。ブラック企業も真っ青なハラスメント・スパイラルは見ているこちらも涙を禁じ得ない。ちなみにヘラが選んだ罰は
カリストを熊にする事
荒唐無稽っ!!
どんな罰かなぁ縛り首かなぁ~?とか考えていた自分が恥ずかしい。全く想像してない角度から罰が食い込んできた。
そうこうしている内に、熊になった彼女は森に離される事となった。
それから十数年後。
カリスト(母)と立派な青年に成長したアルカス(息子)は再会することになる。しかしその再会は穏やかなものではなかった。
アルカスは母の顔を知らない。と言うより、熊なので分かり様ないよね的なちょっとしたボタンの掛け違いから弓で射られそうになるカリスト。これは絶対絶命のピンチ。
しかし、それに驚いたゼウスは弓が当たる瞬間になんと彼らを
宇宙空間に打ち上げた
荒唐無稽っ!!!
こうして空に打ち上げられた母と子は
「おおぐま座」「こぐま座」として文字通り星になった。
頂点に立つ者に求愛され、子供を作ってしまったばかりに母と子もろともロケットで打ち上げる。
どこかの国ではよく有りそうな話だ。
私はこの神話に世界の悪しきところを見た。