自省log

毎日5分をムダにしたな。と思えるブログ

茶目っ気溢れる幽霊「ノックさん」との共同生活

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私は昔、いわゆる「曰くつき物件」に住んでいた経験がある。
駅からも近く立地条件が良いにも関わらず、相場より2万円ほど安い物件だったので「これやばいかなぁ~」と思いつつ、あまりに条件がドンピシャだったので即入居した事を覚えている。

不動産屋さん曰く、この物件は前にいた住人が病死しこの部屋で発見された事から借り手がいなかったらしい。「大丈夫ですか?」と聞かれ、本当にこんな事もあるんだなと思いつつ二つ返事で承諾した。霊感と言ったものを持ちあわせていないから、大丈夫だろうと高をくくっていたからだ。

そんなこんなで新生活がスタート。平日は仕事の疲れもあり、帰ったら泥のように寝ていたので気にしなかったが違和感を感じたのは初めての週末。

お昼ごはんを食べ、予定もなかったのでゴロっとしていた午後の事だった。

コンコンコン…

壁をノックする音が聞こえる。始めは隣の住人が何かやっているのかと思った。何か気に障る事でもしただろうか。

するとしばらくしてまた

コンコンコン…

やっぱり誰かがノックしている。
音のありかを探してみるとどうやらアパートの外からの様だ。ここは2階の角部屋。ノックが聞こえる方には部屋がないので明らかにおかしい。

昼間だったし外に出て確かめてみたが、勿論誰もいなかった。
風かなにかで石でもぶつかったのかな。「曰くつき」と言う単語をふと思い出したが思い過ごしだと自分に言い聞かせ、部屋に戻った。

それからと言うもの、この謎のノックは昼夜問わず定期的に続いた。確実に「何か」がいる。
しかし人間とは面白いものである、しばらくすると慣れてしまうのだ。始めは少し怖かったが、除霊してもらうにしてもこの部屋でお坊さんと二人っきりになるのは嫌。
まずお坊さんと何の話をすれば良いか分からないからだ。
「その頭どう処理してんすか」とか「木魚に似てますよね、頭」くらいしか話題がないのである。
これじゃ会話も6秒くらいで終わるので気まずいし、そんな最悪の空気の中でお経が響き渡るシーンを考えると胃が痛くなった。
そんな感じで主にお坊さんへの嫌悪感から、その「何か」を放置して2週間くらいしたらなんか慣れてた。

それと同時にこの「何か」を「ノックさん」と命名し、私は彼を受け入れる事にする。

共同生活をし始めて、気づいたのだが基本的にノックさんは可愛いやつだった。

・家に返ってくるとちゃんと「お帰り」とノックをしてくれる

・出かける時にも必ず「いってらっしゃい」とノックをしてくれる

・集中出来ないからうるさいと言うとシュンとした感じで、静かになる

・お笑い番組が好きらしく、見ている時に結構頻繁にノックする

・苦手なのかゴキブリが部屋に出た時、私が格闘しているとずっとノックしていた

・空気も読めるので当時付き合ってた彼女を家に連れてくるとノックを絶対しなかった

などなどお茶目さが爆発していたのだ。慣れてみると意外と楽しい毎日だった。

その後ノックさんとの奇妙な共同生活は1年ばかり続いたが、諸事情で引っ越す事となる。
最後に「ありがとうございました」と挨拶した時に「コンッ」と返してくれた"門出のお祝い"を私は生涯忘れないだろう。ありがとうノックさん。

私には霊感がないので、ノックさんが本当に幽霊なのかは分からない。しかし科学では説明出来ない何かが起こっていた事は確かである。
死して尚もちょっとお茶目で、空気の読める大人な幽霊ノックさん。

最近いくつか「死」に関するエントリーを見て、自分の死生観について改めて考えたが
叶うなら最期まで、そして死後もノックさんの様に茶目っ気溢れていたい。そう思った。

ノックの音が

ノックの音が

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